金属熱処理は、鍛造、鋳造、金型、金属プレス等と並んで重要な素形材分野の一つとして位置付けられており、日本の代表的製品である自動車、建設機械、工作機械、航空機、電気製品などの「ものづくり」は、こうした素形材分野の技術力を抜きには成立しないものであります。こうした製品の多くの部品は、熱処理加工が施されており、言い換えれば、熱処理なしでは日本の「ものづくり」は成立しないことになります。熱処理は、素材の金属を加熱し冷却することで、用途に応じて強度、硬さ、ねばり強さ、耐摩耗性、被切削性などの性質を変化させる処理で、目には見えませんが、ものづくりでは大切な役割を担う、重要な基盤技術の一つであります。